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第二回 治療耐性がん細胞研究協議会総会・セミナー

 

日時 2017年2月2日(木) 13:15~17:05

場所 東京医科大学 本部キャンパス 第二看護学科棟3階306号室

 

内容

  1. 議長選任の件。

  2. 監事選任の件。

  3. 寄附財産に関する件。

  4. 事務所の所在地に関する件。

  5. 2016年度の事業内容に関する件。

  6. 会費に関する件。

  7. 治療耐性がん細胞研究の研究内容に関する件。

 

以上

連絡先

東北医科薬科大学 医学部 医学科

放射線基礎医学教室

桑原 義和

E-mail: y-kuwahara@tohoku-mpu.ac.jp

 

 

監事選任の件

鈴木 正敏 監事より退任の申し出がありました。

新監事として、富田 和男 先生を推薦致します。

 

寄附財産に関する件

森 静枝 様より110,000円のご寄付をいただきました。

 

事務所の所在地に関する件

東北大学 加齢医学研究所 病態臓器構築研究分野内から

東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室内に変更致します。

 

2016年度の事業内容に関する件

中山 秀樹 先生 (熊本大学) の依頼により、ヒト口腔がん由来の臨床的放射線耐性細胞2系統を樹立。

佐藤 友昭 先生 (鹿児島大学) へ臨床的放射線耐性細胞を分譲。

第二回 治療耐性がん細胞研究協議会セミナー を開催。

 

会費に関する件

2017年度は無料とする。

 

プログラム

13:15-13:20         開会のあいさつ

福本 学

13:20-13:50         議事審議

及び

「これまでに分かった放射線耐性細胞の特徴とX線照射で誘発される細胞死」

桑原 義和 他

13:50-14:20         「細胞のストレス応答およびミトコンドリアDNA動態について」

富田 和男 他

14:20-14:50         「    」

漆原 佑介

14:50-15:20         「放射線高感受性原因遺伝子NBS1のDSB修復での機能と機能ドメイン」

加藤 晃弘

15:20-15:30         休憩

15:30-16:00         「Topoisomerase 2は、触媒反応中に頻回にミスを起こし、DNA2重鎖切断の原因になる」

武田 俊一

16:00-16:30                       「RalGAP発現低下による膀胱がん悪性化」

堀内 久徳

16:30-17:00         「      」

中山 秀樹

17:00-17:05         閉会の挨拶

福本学

17:05-                  移動・懇親会

 

 

演題要旨

  • これまでに分かった放射線耐性細胞の特徴とX線照射で誘発される細胞死

  桑原 義和1,3、漆原 佑介2、富田 和男3、佐藤 友昭3、栗政 明弘1、福本 学4

  1 東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室

  2 量子科学研究開発機構 放射線医学総合研究所 福島再生支援本部環境動態研究チーム

  3 鹿児島大学 医歯学総合研究科 歯科応用薬理学講座

  4 東京医科大学 分子病理学講座

がん細胞にX線を照射すると細胞死が誘発される。一般的に、X線照射で誘発される細胞死はapoptosisであると考えられている。そこで、ヒト肝がん由来HepG2細胞に10GyのX線を照射して、apoptosis細胞を選択的に判別することのできるAnnexin-V染色を行ったところ、その頻度は15%程度であった。10GyのX線照射後どのような死細胞が見られるのかを、経日的に観察すると、1) apoptotic bodyを伴った細胞、2) apoptotic bodyを伴わず浮遊している細胞、そして3) 風船のように膨化した死細胞が見られた。1) はapoptosis細胞、2)はautophagy細胞死、3)はnecrosisであると考えられる。経日的解析から、臨床的放射線耐性細胞であるHepG2-8960-R細胞では、親株HepG2細胞に比べて、necrosis様細胞の誘発頻度の低いことが示唆された。このことから、X線照射後にみられるnecrosisはプログラムされた細胞死であるnecroptosisではないかと考えた。Necroptosisは、Necrostatin処理で抑制することが知られている。本研究では、necroptosisが、がん細胞の放射線感受性に関与しているのか否かを解析した。また、これまでに分かっている臨床的放射線耐性細胞の特徴について報告する。

 

 

  • 細胞のストレス応答およびミトコンドリアDNA動態について

  富田 和男1、桑原 義和1,2、塚原 飛央1、古川 みなみ1、佐藤 友昭1

  1 鹿児島大学 医歯学総合研究科 歯科応用薬理学講座

  2 東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室

ご挨拶

 昨年の11月より鹿児島大学医歯学総合研究科歯科応用薬理学講座に赴任しました富田と申します。当講座では細胞のストレス応答やマウスを用いたストレスと記憶・学習に関する研究を行っています。また当講座は、以前活性酸素類とそれら消去物質の研究を行っていた関係から、新たに治療耐性がん細胞研究協議会に参加し、放射線耐性細胞の研究もはじめたいと思っています。放射線耐性細胞についてその耐性メカニズムを少しでも明らかに出来ればと思っておりますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

要旨

 これまで演者らは、活性酸素類の研究を行い、S-ニトロソグルタチオンなどのNO donorsがNa+ /K+ -ATPase活性を阻害し、その阻害は酵素SH基の酸化と関係していること、そしてこれらの阻害がラジカルスカベンジャーによってレスキューされることを明らかにした。また、抗酸化物質であるケルセチンがエストロゲンレセプターの一つであるGPR30を介して細胞の分化を制御することも明らかにした。さらに、活性酸素とミトコンドリアに注目し、ミトコンドリアDNA (mtDNA) が障害をうけた細胞では、コントロールに比べ活性酸素の発生量が多いこと、神経細胞では、mtDNA障害等が有意に増加しない量の放射線により遺伝子発現に変化が起きること、宇宙飛行士の毛髪から核酸を抽出・解析を行うと、宇宙滞在によりmtDNAコピー数が減少とMn-SOD等の抗酸化酵素の発現が減少することを明らかにした。

 今回、放射線耐性細胞のDNAを用い、mtDNA のコピー数を調べたところ、HeLa-RおよびA172-R細胞においては、親株よりもmtDNAコピー数が減少していた。しかしながら、他の細胞ではDNAを市販のキットで抽出した場合とISOGENでDNAを抽出した場合では、異なる結果となった。また、これら細胞における、mtDNAコード遺伝子の発現(mtRNA)についても調べ、mtDNAとmtRNAの比率を調べたところ、親株に比べ耐性細胞では、mtRNA/mtDNAが上昇傾向にあることが分かったので、これらの結果を報告する。

 

 

  • 臨床的放射線耐性がん細胞におけるDNA二本鎖切断修復機構の解析

  漆原 佑介1、安彦 亮2、桑原 義和3、鈴木 正敏2、福本 学4

  1: 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 福島再生支援本部 環境動態研究チーム

  2: 東北大学 加齢医学研究所 病態臓器構築研究分野

  3: 東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室

  4: 東京医科大学 分子病理学講座

我々は、がん細胞へ標準的な放射線療法における照射量2Gy/日のX線を30日以上照射し続けても増殖し続ける臨床的放射線耐性(Clinically relevant radioresistant: CRR)細胞を樹立している。これまでの解析から、親株細胞では2Gy/日の分割照射を続けることで照射24時間後のH2AX陽性細胞数が増加していくのに対し、CRR細胞では2Gy/日の分割照射を続けても照射24時間後のH2AX陽性細胞が増加しないことが明らかとなっている。このことは、CRR細胞では分割照射で生じるDNA二本鎖切断(Double strand breaks: DSB)を効率的に修復していることを示唆するが、CRR細胞におけるDSB修復機構についてはこれまでに明らかとなっていない。本研究ではヒト子宮頸がん由来細胞株HeLa、ヒト扁平上皮がん由来細胞株SAS、ヒト肝がん由来細胞株HepG2の複数の由来の異なるがん細胞を用い、親株細胞とCRR細胞のDSB修復経路の違い、X線照射後のDSB修復因子の挙動解析を行った。HeLa及びSASにおいて、DSB修復経路のうち相同組み換え修復(Homologous recombination: HR)を検出可能なDRGFPアッセイを行ったところ、両細胞株ともに親株に比べてCRR細胞ではHR頻度が低下していることが明らかとなった。HR頻度低下の原因を明らかにするために、DSB初期応答においてDSB修復経路選択に関わっていると考えられているATM、DNA-PK、53BP1、NBS1についてX線照射後のフォーカス数の変化を解析したところ、HeLa、SAS、HepG2すべての細胞株において親株に比べてCRR細胞ではX線照射後のリン酸化ATM及び53BP1フォーカス数が有意に減少している一方で、NBS1フォーカス数には有意差がみられなかった。これまでに、中性コメットアッセイよってCRR細胞では親株に比べてDSB修復が遅延していることが明らかとなっていることから、CRR細胞では放射線照射によって生じたDSBに対してHRとは異なるkineticsの遅い経路が修復していることが示唆される。また本研究より、由来の異なるがん細胞においても同様の分子メカニズムの変化により2Gy/日の分割照射条件での増殖を可能にしていることが明らかとなった。

 

 

  • 放射線高感受性原因遺伝子NBS1のDSB修復での機能と機能ドメイン

  加藤 晃弘(東北医科薬科大・医・放射線基礎医学)

電離放射線はDNAに様々な損傷を与えるが、中でもDNAの二重鎖切断(DSB)は特に重篤なDNA障害であり、細胞死や染色体異常、個体死、発がんの原因になる。DSBは主に相同組換え修復(homologous recombination repair: HRR)と非相同末端結合(non-homologous end joining: NHEJ)によって修復される。まれな遺伝病であるナイミーヘン症候群 (Nijmegen breakage syndrome: NBS) の原因タンパク質NBS1は、DSB発生後に素早くDSBに集積するが、その時同時にMRE11/RAD50タンパク質複合体をDSB部位に集積させる。MRE11はヌクレアーゼであり、その活性によりDSBの末端をプロセシングすることでHRRとNHEJの両方の進行に関わると考えられている。NBS1ノックダウン細胞ではMRE11はDSBに集積できないが、それと同時にHRR活性とNHEJ活性が共に低下することが報告されている。この結果は、MRE11がDSB部位で活性を発揮できないことを考えると合理的であり、実際に、NBS1のDSB修復での主な役割はMRE11/RAD50複合体をDSBに集積させることであるとするモデルが広く受け入れられてきた。

今回我々の研究グループはNBS1のC末端に存在する進化的に保存された領域に注目し、その機能解析を行った。NBS患者細胞は電離放射線に対して高い感受性を示すが、この領域を欠失させた変異型NBS1の発現ではこの感受性を相補できず、この領域がDSB応答に必要であることが示唆された。この変異型NBS1タンパク質はMRE11との結合やDSB部位への集積を正常に行うことができ、MRE11をDSBに集積させることとは別の重要な機能をこの領域が担っていることが想像された。興味深いことに、DSB修復のレポーターアッセイからこの領域はHRRには必要とされず、NHEJだけに必要とされることが示された。本発表ではNBS1の既知ドメインの分子機能について概説するとともに、上記新規ドメインの解析結果について紹介する。

 

 

  • Topoisomerase 2は、触媒反応中に頻回にミスを起こし、DNA2重鎖切断の原因になる

  武田 俊一(京大医学研究科)

Topoisomerase 2(以下、Top2)は、2本の2重鎖がからまったときに、それを解消する酵素である。その触媒反応中に片方の2重鎖DNAに一過性にDNA2重鎖切断を作る。そのDNA2重鎖切断をもう一方の2重鎖DNAが通過し、からまりが解消するのである。Top2がDNA2重鎖切断を作ったときに、5'切断端に共有結合する。この状態をTop2 xleavage complex (Top2cc) と呼ぶ。抗がん治療薬、エトポシドは、Top2ccを安定化する。すなわち、エトポシドは放射線治療のようにゲノムDNAに2重鎖切断を作って細胞を殺すのである。エトポシドは、Top2ccを安定化すると、もはやTop2はそのDNA2重鎖切断を修復できなくなる。この状態を病的なTop2ccが生じたと呼ぶ。この病的Top2ccを修復・再結合するのは、まず切断端に共有結合したタンパク(Top2もしくはその分解産物のこと)を除去し、そのあとに切断サイトを非相同末端結合か相同組換えが再結合する。従来、5'切断端に共有結合したタンパクを除去出来る酵素は。TDP2だけであった。TDP2が欠損すると、細胞はエトポシドに高感受性になる。TDP2が欠損した患者は、ほぼ正常発生し、知能障害が生じるが、高発がんの表現型は示さない。したがって、従来、病的なTop2ccが正常状態にある細胞に自然発生することは極めて稀と考えられて来た。

 我々は、Mre11と呼ばれるDNA切断酵素が無くなると、大量の病的Top2ccが自然発生することを見出した。生化学的解析から、Mre11が5'切断端に共有結合したTop2を除去できることが判った。Mre11欠損細胞にTDP2を大量に発現させると、この自然発生が半分ぐらいに減少した。Mre11は細胞増殖に必須で、Mre11が無くなると、細胞は染色体断裂をおこし死ぬ。Mre11欠損細胞にTDP2を大量に発現させると、染色体断裂や細胞死も部分的に抑制された。従来、Mre11が無くなると、細胞は染色体断裂をおこし死ぬのは、Mre11が相同組換えに必須だからと考えられてきた。我々の知見は、それだけでなく、Mre11が自然発生した病的Top2ccからTop2を除去することによって、ゲノムの不安定化を防いでいることを示す。まとめとして、DNA2重鎖切断が自然発生する原因には、DNA複製ブロックだけでなく、病的Top2ccの自然発生もあることが解明できた。後者の経路は、休止期にある細胞でDNA2重鎖切断が自然発生する最大の原因である。

  • RalGAP発現低下による膀胱がん悪性化

  堀内 久徳(東北大学 加齢医学研究所 基礎加齢研究分野)

 低分子量GTP結合蛋白質RalはRasファミリーに属する低分子量GTP結合蛋白質で、細胞の増殖・生存等様々な機能を担っており、哺乳類では互いに約80%の相同性をもつRalAとRalBが存在する。他のGTP結合蛋白質と同様にGDPが結合した不活性型とGTPが結合した活性型の2つの立体構造をとる。活性化反応はGDP/GTP交換因子(GEF)により、不活性化反応はGTPase活性化蛋白質(GAP)により担われている。現在6種類のRalGEFが知られているが、そのうち4つはRas結合ドメインを有し、活性型Rasとの直接結合により活性化される。発癌性Rasにより誘導されるヒト細胞の癌化には、RalGEFを介したRalの活性化が必須であることが示され(Rangarajan et al, Cancer Cell, 2004、Lim et al, Cancer Cell, 2005)、Rasの下流径路としての重要性が示されてきたRaf-ERK径路やPI3キナーゼ-Akt径路に加えてRalGEF-Ral径路の活性化がRas誘導性の腫瘍形成において主要な役割を果たすことが明らかとなった。Ralの抑制性制御因子RalGAPの分子的実体は不明であったが、我々はその同定に成功し世界に先駆けて報告した(Shirakawa et al, JBC, 2009)。我々は膀胱癌にフォーカスして研究を進めて以下を明らかにした(Saito et al, Oncogene, 2013)。1)浸潤性膀胱癌細胞株ではRalGEFの発現は不変であったが、RalGAPの発現が転写及び翻訳レベルで強く抑制されているためRalの活性が上昇していたこと、2)浸潤性膀胱癌細胞株にRalGAPを強制発現すると細胞遊走能が低下し、マウス転移モデルでは肺転移が著しく抑制されたこと、3)化学膀胱癌を誘導すると野生型では発生しなかった浸潤性膀胱癌が約40%のRalGAP KOマウスに発生したこと、4)α2サブユニットの発現が低下した膀胱癌組織を有する患者の生命予後は不良であったこと。このように膀胱癌悪性化の一端はRalGAPの発現低下によるRalの活性化上昇である可能性が高い。

 

 

  • 口腔扁平上皮癌の放射線抵抗性獲得機構における癌微小環境の役割 

  -Interleukin-6/Nrf2 antioxidant pathwayの関与-

  中山秀樹(熊本大学大学院 生命科学研究部 歯科口腔外科学分野)

【背景】

インターロイキン6 (IL-6) は、多くの癌において発現が上昇し、悪性形質に関与することが報告されている。しかしながら、口腔扁平上皮癌(oral squamous cell carcinoma: OSCC) の癌微小環境におけるIL-6の生物学的意義は未解明な部分が多い。一方、各種ストレスに暴露された際に機能するKeap1-Nrf2システムは活性酸素を消去し、生体防御反応において重要な役割を果たすことが知られている。そこで本研究では、OSCCの放射線抵抗性について、癌微小環境の特徴を解析し、さらにIL-6に着目し、Keap1-Nrf2システムとの関連性について検討することを目的とした。

【方法】

まず、5-FU系抗癌剤を併用した術前化学放射線療法後に外科的切除を施行した60例のOSCC患者の生検標本を用いて、免疫組織化学的染色にて癌微小環境の構成細胞である癌関連線維芽細胞(CAFs)と腫瘍随伴マクロファージ(TAMs)の発現をそれぞれ代表的なマーカーであるa-SMAとCD163にて半定量的に評価し、各種臨床項目や予後との関連性を解析した。また、根治手術後に得られた検体を使用し、残存腫瘍組織におけるIL-6の発現を免疫組織化学染色にて評価した。次に、IL-6およびIL-6シグナリングの阻害として働くトシリズマブがOSCC培養細胞における放射線感受性やDNA損傷に及ぼす影響を検討した。さらに、IL-6依存的放射線抵抗性におけるNrf2抗酸化経路の関与を主にin vitroで解析した。

【結果】

OSCC患者において、TAMsの高発現は、化学放射線療法に対する組織学的治療効果と有意な相関を示した。また、CAFsおよびTAMsともに高発現しているOSCC患者は全生存率、無病生存率ともに低発現患者群に比べて有意に低下していた。IL-6はOSCC細胞に放射線抵抗性を賦与し、トシリズマブによるIL-6シグナリングの阻害は腫瘍細胞の放射線感受性を増感させた。IL-6による刺激は、その下流のSTAT3だけではなくNrf2抗酸化経路を活性化させ、下流分子であるMn-SODを上方制御することによって酸化ストレスを有意に減少させた。

【考察】

OSCCでは、腫瘍間質におけるCAFsやTAMsの発現がOSCC患者の化学放射線療法に対する抵抗性や予後を予測するバイオマーカーとなり得る可能性が示唆された。また、OSCC組織が放射線に暴露されると、微小環境におけるIL-6がオートクライン、パラクライン両面で癌細胞にNrf2抗酸化経路を通じて酸化ストレスを調節することで放射線抵抗性を付与することが明らかとなった。

【結論】

OSCCの放射線抵抗性において癌微小環境は重要な役割を果たしており、IL-6シグナリングの阻害は、放射線治療に抵抗性を示すOSCC患者において治療効果改善と生存率向上につながる可能性がある。

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